こころの辞典1401-1500

1401
まとめたいこと。
分裂病性自我障害発生の時間遅延理論。
躁うつ病のMAD理論。
神経症性内因性分裂病も加えて精神病の見取り図を作る。
シュープ性の躁うつ病を加えて精神病の見取り図を作る。
インターパーソナルとイントラサイキックについてまとめる。
神経症について理論化できないか考える。

1402
病院という組織
縄張り主義
仕事を増やしたくない
偏狭な仲間意識(身内と他人を峻別する)
生き甲斐は何か?仕事の意味は何か?

仕事の区分を明確にする、その上で連絡の仕方を明確にする
目標を明確にする。価値設定。評価設定を明確にする。
生き甲斐・働きがいを積極的に作る、あるいは演出する
自分は何を達成したら評価されるのかを明確化する。
「よい治療」とは何か。「よい病院」とは何か。どんなビジョンを持つか。それが大事。ただ単に入院患者数が問題なのではないだろう。ではどんな数字を改善すればよいのだろうか。それを明確に提示すること。そこに本質的な工夫がある。それが発展のレールをひくことになる。

入院受け入れ→急性期治療→集団療法→社会復帰療法→退院訓練期→退院・通院・デイケア
この流れの中で誰がどのようにかかわり合うか、見通しよくなるように考える。
重なり合いも含めてグラフ化して明確化する。
パラメディカル=ワーカー、看護、心理などのかかわり方の明確化。
たとえば、入院受け入れの最初の窓口がワーカーになることの是非。

医療の原則として、過度の原則主義も困るし、過度の経営主義も困る。そのバランスが大切である。

1403
病棟の機能分化を推進する。急性期病棟、社会復帰療法病棟、療養型病棟などに分類する。慢性長期療養患者と急性期患者を混在させているから業務が煩雑になる。たとえばカーデックスの問題。慢性患者には必要ないだろうと考えても無理はない。
社会復帰療法病棟の仕事……集団精神療法+個人精神療法、患者教育(病気、服薬、再発、コーピング、社会資源の活用法)、家庭生活・社会生活への適応改善。
療養型病棟については本来の医療の分野ではなく福祉の領域であると考えられる。

1404
ストレスと免疫
ストレスフルな状態で免疫能が低下することは一見矛盾している。ストレスが高く疲労状態の時には食欲も低下し、やる気がないから食物を取りに出かける元気もない。栄養状態か悪くなれば感染の危険も高まる。そんなときだからこそ、免疫能を高めて防御を万全にしておいた方が生存可能性が高まるだろう。しかし現実は逆で、ストレスが高くうつ状態に傾いたときには免疫能が低下する。これではひと思いに死んでしまえと言っているようなものではないか。
適応不全状態のときに免疫能が低下するのは、個体の生存可能性を低くする。しかし一方で、DNAの変化を促進し、遺伝子レベルでの適応改善の可能性を高くする。これがポイントである。
この仮説の検証のためには免疫状態が低下すると遺伝子が変化しやすくなる、つまり、血液睾丸関門がゆるめられ、外来ウィルスが精子に組み込まれやすくなる。その時に流通しているウィルスは、そのときに適応的な遺伝子のかけらを切り取って運んでいる。

1405
一般市民向けの講演会。精神病と老人性痴呆。

1406
精神分裂病についての今の理論(自我障害に関する時間遅延理論)
自由意志の錯覚はなぜ発生するか
その錯覚が失われたときに自我障害が発生する

1407
うつ病についての今の理論(MAD)
神経細胞の特性としてMADを考える。実際は連続的な特性である。
熱中してM細胞がダウンするとうつ状態が生じる。
M細胞が再生するとうつも治る。
病前性格を説明する。

1408
神経症性内因性分裂病について

病態レベル↓ 内因                心因
精神病 分裂病(=精神病性内因性うつ病) 心因反応
躁うつ病 拘禁反応

神経症 神経症性内因性分裂病 神経症
神経症性内因性うつ病 パニック
GAD
解離性障害

1409
精神病分類表
分裂病うつ病
シュープ性(再燃性) 分裂病 ?レベルダウンする躁うつ病
ファーゼ性(相性) 非定型精神病 躁うつ病

1410
神経症についての今の理論

1411
MMSE ミニ精神機能評価

1412
痴呆の一面として、廃用性萎縮の要素がどの程度混入しているか評価する必要がある。つまり、
痴呆症状=老化+血管性機能障害+廃用性萎縮
この三つの要素を見分けて考えるべきである。
老化が病的に早くおこるのがアルツハイマーと考えてよいか。賛否がある。ウェルナー症候群は病的早期老化。

1413
bio-psycho-socio
「からだ・こころ・くらし」と訳す。
からだは看護婦、こころは心理、くらしはケースワーカー、全体を医師がみる。

1414
病者の困難を、疾病と障害の複合としてとらえる。
疾病は医療モデルで医師・看護婦・心理がかかわる、障害は福祉モデルでリハビリ医師・OTが中心になる。

1415
通院相談期→入院受け入れ→急性期→社会復帰リハビリ期→在宅支援・通院期→自立・通院期
このそれぞれの場面でどの職種がどのようにかかわり役割を分担するか、考える。主にかかわるのは誰か、方針を決めるのは誰か、責任はどこにあるのかを明確化する。
・仕事を明確化して考えることで、漏れがなくなる。会議もはかどる。

1416
社会復帰のために
・何が欠けているのか評価する。
・どうすれば補えるのか、解決できるのか、考える。
・欠けている場合、廃用性萎縮の面と、本質的な欠落の面の二つがある。
・廃用性萎縮ならば、訓練で取り戻すことができる。
・本質的な欠落ならば、代用を考える。
・SSTは本質的欠落に対して、「良肢位に固定する」ことを考える。

1417
院内で職種間の連結を改善することがまず大切。次に、院内完結ではなく、周辺社会資源も連動する形を考える。地域担当保健婦のカンファレンスへの参加が大切。

1418
SSTと集団精神療法の違い
陰性症状は障害として固定していることが多い。その障害が、本質的欠損なのか、廃用性萎縮なのかを区別する必要がある。痴呆の鑑別で本質的脳委縮(老化またはアルツハイマー性変化)なのか廃用性萎縮なのかの鑑別が重要であるのと同様である。
たとえば歩けない場合、足がないのは本質的欠損であり、義肢が必要である。歩かない期間が続いて筋肉の萎縮がおこっている場合には廃用性萎縮であり、通常の意味での回復訓練をすればよい。両者の間には本質的な差がある。
精神病の場合に、本質的欠損に対しての対応がSSTである。義肢に相当するのが良肢位での固定である。廃用性萎縮に関しては、レクや作業を中心とした集団精神療法などがよい。
分裂病で集団機能が失われた場合、本質的欠損にあたり、SSTがよい。
分裂病性幻聴があり、閉じこもりが長く続いた。集団機能の本質的欠損はなかった。この場合には廃用性萎縮である。まず薬で幻聴に対処する。そうすればひとなかで行動できるようになるので、集団精神療法を施行する。
・本質的欠損があれば、結果として廃用性萎縮も伴う。
・本質的欠損のない、廃用性萎縮はある。
つまり
A=本質的欠損+廃用性萎縮
B=廃用性萎縮
のふたつのタイプがあることになる。

すべて集団の場合には退行現象についてどう対処するかが問題である。
集団になれば軽く退行する。これは仕方がない。特に治療場面では仕方がない。ある面では退行するために集まっているようなところもある。退行すれば、現在は隠れてしまっている過去の問題点が明らかになる。だから退行は治療的である。退行は必要であるが、その一方で退行は集団運営の点で厄介な問題を生む。

1419
日本の風土に心理劇は適するか。いわゆる「バタ臭い」のではないか。

1420
社会復帰療法開始にあたっての評価。
・medical care (医療、からだとこころ、個人)……薬、精神療法、集団療法、SSTなど。
・social care (くらし)……環境調整、社会資源への連結。
・stage分類ができるか。medical と social各面でステージ評価する。
・0〜5,5が最重度とすれば、社会的入院はm=0,s=5となる。

1421
医師とケースワーカーは患者をとりまく環境を「治療」する。

1422
外来・入院・復帰訓練・退院・外来、この流れを滞りなく一体のものとして進行させる。早くから動くことが必要だ。同時に、患者は退院に向けて動きが始まっていることを確認する。患者に退院への筋道を早く知ってもらうこと。各専門家がてきぱきと動いている様子を見れば患者は安心を与えられる。

1423
入院中に必要なケアを分析し構造化する。同時に退院後に必要なケアを分析し構造化する。誰がどのタイミングでかかわるか、明確化する。
仕事の内容・担当・タイミングを明確化する。

1424
精神療法メニューの分析。

1425
作業療法は、actとrestに分ける。就労訓練コースと趣味リラックスコースに分ける。

1426
患者を多層的に・多軸的に見る。→診断・カルテシステムに反映させる。
bio-psycho-socio
「からだ・こころ・くらし」

1427
かかわる職種:
医師、看護婦士、心理士、ケースワーカー作業療法士デイケア担当療法士、レク療法士、SST担当者、訪問看護担当者、担当保健婦、福祉ワーカー、グループホーム指導員、共同作業所指導員。これらの人たちの連絡は十分か?

1428
入院時、急性期、リハビリ期、通院期
それぞれのステージでどんな仕事があり、誰が担当するか。表を作る。

1429
入院時
医師・看護婦……薬、精神療法
心理……心理テスト、集団・個人精神療法、SST
OT……レク、職リハ、趣味リハ
CW……金、家族の把握、住居の確保
医師・看護婦など……患者・家族教育

1430
外来通院時
医師・看護婦……薬、精神療法、緊急宿泊受け入れ、往診
心理……心理テスト、集団・個人精神療法、SST
OT……レク、職リハ、趣味リハ(デイナイトケア)
医師・看護婦など……患者・家族教育
訪問看護・ワーカー・保健婦……危機介入、生活指導、職場訪問、金銭問題、家族調整(おもに問題点の把握、増悪早期発見)

1431
短期休息入院が有効

1432
何をしなくてもいいソーシャルクラブ
たまり場

1433
外勤療法も考える……たとえばダンボール工場

1434
約束処方は画一的であると避難されるが、画一的な処方であるからこそ、薬に対しての反応を見て、患者の特性を知ることができる。
たとえば錠剤は一種の約束処方であるともいえる。

1435
受け持ち看護婦制(プライマリーナーシング)

1436
その人の社会復帰を妨げているものは何であるか分析し、その上で対策を考える。社会復帰阻害要因分析。

1437
生活臨床・生活療法から社会療法へ。院内適応から社会復帰へ。

1438
生活の場……病院、グループホーム、自立生活
復帰訓練……レクOT、職OT、DC、SST

1439
社会療法部会の構成
作業療法 職リハOT
作業療法 趣味リハOT
デイケア 職リハデイケア
デイケア 趣味リハデイケア
・レク療法
・入院集団精神療法
・SST
・S、AAなど通院集団精神療法
・地域ケア係

カンファレンスでは地域担当保健婦や職場担当者などもかかわる。

1440
病院に「くらす」ことの矛盾に鈍感になっていないか?
ハーフウェイハウス、ホステル、グループホーム
メンタル・ヘルス・リエゾンプログラム

1441
CPN :Community psychiatric nurse 地域精神科看護者。訪問看護担当看護婦にあたる。

1442
退院前プログラムの内容
服薬自己管理……SST
料理教室
経済的自立・仕事
年金・生保・32条の知識
役所・銀行の利用
家族教育
住居確保
ささえるネットワークづくり……家族、友人、病院、回復者の会、デイケア、など。

退院後フォロー
訪問看護や通院で服薬確認、再教育、家族調整、環境調整など。

1443
SSTについて
○背景となる原理
ストレス脆弱性モデル
受信・処理・発信モデル
認知行動療法モデル(強化と般化)
良肢位での固定
○何のために新しいスキルの習得が必要なのか検討する。
看護・SSTスタッフ・患者の間で合意が必要。とくに病識のない患者は問題を自覚しない場合が多い。軽度の直面化が必要である。たとえばビデオを利用するなど。
○どんな患者に適しているか。
陽性症状がない。
落ちついて座っていられる。
受信機能の歪みが少ない。とちらかといえば発信機能の訓練をする。
○目標の例
ガスの使用
金銭管理
薬自己管理
精神症状自己管理
余暇の過ごし方
対人交流技術
○方法
強化……ロールプレイで反復練習し、ほめて強化する。ポジティブストローク
般化……宿題をこなして般化に挑む。応用ができるようになる。
○問題点
患者同士のロールプレイの限界。できればノーマライゼーションを推進すること。
あまりに訓練的になることがある。
あまりに非訓練的になることがある。
廃用性萎縮と本質的機能欠損の区別の大切さ。足がない人に歩くことを強要する、つまり機能欠損なのに訓練を強要する場合がある。

1444
一人暮らしの老人
子どもと同居するのは息苦しい。元気なうちは気ままな一人暮らしをしたい。しかし本当は寂しいし、急に身体が不調になったらどうしようなどとも思う。これはハリネズミのジレンマである。

1445
○医療相談室の仕事
受診援助
入院援助
退院援助
療養上の問題
経済援助
就労問題
住宅問題
教育問題
家族調整
日常生活援助
心理情緒的援助
人権擁護

ケースワーカーの仕事
相談業務……これが中心になるべきだ
集団精神療法……デイケアなども点数表に載っている
インテイク……これが実は多い
病院の何でも屋の側面がある。

1446
臨床心理室の仕事
○精神科分野
心理検査
カウンセリング……個人精神療法
グループ治療……集団精神療法、SST

○老人医療分野
老人性痴呆評価
言語訓練

1447
点数表の業務から、各職種のかかわる範囲を書き出して明確化する。

1448
OTの仕事……CWに比較すると狭くて専門的。
作業療法
デイナイトケア

1449
作業療法処方箋
作業療法連絡票
効果判定表

1450
作業療法種目
印刷・ワープロ・雑誌編集
SST
園芸
プラモデル
革工芸
手工芸・七宝焼・陶芸
茶店
ヤングクラブ
自由活動
創作グループ
音楽療法
調理クラブ
レク・軽作業グループ

大別すると、レクOTと職業OTがある。レクOTに圧倒的に人気がある。

1451
デイケア
料理
珠算
スポーツ
手工芸
音楽療法
話し合い
作業療法グループとの合流もあり……入院から通院への移行を滑らかにする効果がある。一部はソーシャルクラブとして自主運営に近い活動も加える。

大別すると、職業に向けて訓練する機能と、再発防止機能の二つがある。
職業訓練の面では、仕事になれる、時間になれる、仕事上での他人との付き合いになれるなど。
再発防止の面では、不調状態の早期発見、規則正しい生活、病院とつながることの意義など。

1452
神経症についての今の理論
不適応状態→退行→更に不適応→固定化=神経症
不適応状態に対して、退行で反応する者と、進化の方向の行動で反応する者とがある。
不適応状態は一方では免疫能低下を引き起こし、種としての変化・進化を促進する。
不適応に対して人間は形態を変えることはできないから、行動を変える。行動を変えることはつまり、脳の内容を変えることだ。

1453
病棟における担当看護婦、外来での担当ケースワーカー訪問看護婦、地域での担当保健婦、福祉担当者、これらが「自分の患者」という気持ちでケアにあたることが大切。これら担当者が連絡をとりつつ一体となってあたることが必要。「誰かがやるだろう」ではやる気が出ない。

1454
目標は社会復帰である。したがって社会療法がよい。浅薄な社会復帰と、深みのある病棟内適応とどちらがよいかと考えることはできる。しかし、やはり社会に出て普通の生活の中で次第に問題を解決してゆくのがよい。

1455
社会療法部の目的
・個別患者についての社会復帰援助……個人の訓練(レクリハ、職リハ、SST)、家族調整(介入、家族教育)、ソーシャルケースワーク……問題点は何か、解決は何か、ケース検討会を持つ。そのために出席すべき人たちの役割と準備すべき情報を明確化する。
・環境調整のための情報のプール……個人、組織、役所
・必要とする職員・患者・部外者への情報提供……印刷物、電話、インターネット
・ノウハウの開発と蓄積
・入院時から始まる社会復帰援助を具体化する
・再入院防止のための戦略
・入院が必要かどうか境界線上の場合に、なるべく外来でケアする試み
・地域社会資源との連携

この場合、社会療法とは、病院療法に対する言葉と考えてよいだろう。非病院療法のこと。地域精神医学でもよい。病院ではなく地域共同体。コミュニティ精神医学。地域精神医学でもよい。共同体の意味での社会である。
職業共同体だけの一元的な帰属意識から、地域共同体への帰属感も持てるような社会。アイデンティティの複線化。

1456
伝統的な・医学(疾病)モデルに基づいた仕事については従来の医者・看護婦士のラインで充分である。新しい・障害モデルに基づいた部分を社会療法部として扱う。

Faculty of rehabilitation for disability
Faculty of psycho-social therapy
Faculty of social therapy

心理社会療法部 と呼ぶのがすっきりするかも知れない。

1457
病棟でのレクリハの意義
レクリエーション・リハビリテーションの意義は診断面と治療面にわけられる。
診断面では、個人面接では得られないような多様な場面を設定することにより、多様な転移を観察することができる。これを心理学的に観察し個人及び集団心理学的な言葉で記述することが必要である。
治療面では、廃用性萎縮の側面に対しては活動促進、やる気を引き出す。本質的欠損に対してはSSTなどの技法を活用する。

1458
職リハ
目標を明確にする。活動の意味が明瞭になれば、やる気も出る。できれば、具体的な職場を用意して、そこに勤めるための技能はこれ、という形で逆算して提示したい。

1459
訪問看護
危機介入
休息入所
ソーシャル・クラブ
服薬指導
家族教育
就労援助
住宅援助

1460
ノウハウを個人のレベルにとどめておかない→マニュアル化

1461
CPRS ケンブリッジ・精神科リハビリテーション・サービス
地域の包括的な精神医療システム  これと病院システムの連結

1462
精神科専門看護婦研修コース
・医療……症状、検査、病理、薬剤、精神療法、経過
・社会復帰援助……作業療法デイケア、SST、家族教育、環境調整、ケースワーク技法、諸制度の理解、地域社会資源との連携

1463
地域社会の受け皿を整備しないで精神病院を解体した結果がホームレスの増大。社会復帰を促進するからには、地域社会の受け皿を用意することが不可欠である。

1464
CWの業務……本来の支援業務ができる状態にしたい。

1465
社会療法は二面がある
?Bio vs Psycho-Social この面では心理社会療法(生物学的・医学的療法に対して)
?Community-Social vs Hospital この面では地域共同体社会療法(病院精神医学に対して) ソーシャル・ケースワークの側面 「社会」「地域共同体」を治療する側面がある

1466
共同体アイデンティティがどこにあるか
職場アイデンティティ、職業I、地域I、血縁I、

1467
疾患モデル vs 障害モデル
医療    vs 福祉
medical service vs social service
陽性症状  vs 陰性症状

障害福祉的診断と治療があるはず

1468
SSTの原則
?動機付け、目標を明確に設定
?技法
・強化(ロールプレイ、Positive Stroke)
・般化(宿題)

1469
disease 疾患
illness 体験としての障害
impairment 機能障害
disability 能力障害
handicap 社会的不利

症状ではなく生活障害を診断評価する

1470
社会療法部の目的
?短期入院・早期退院……入院治療の仕組みの問題であると同時に、家庭・社会で支えられることが前提条件となる
?再発予防・再入院予防……環境調整・患者家族教育
?地域での生活安定……諸制度・諸社会資源の有効活用

1471
患者の自主運営部分を増やすと患者のやる気を引き出せる。

1472
二本の柱
病棟システムの改善……イントラネット
地域ネットワーク作り……インターネット

1473
?病棟ナースと地域保健婦のタイアップによる訪問看護システム
?東京障害者職業センター……就労アセスメント
?地域に病棟スタッフを送る。逆も。相互乗り入れ。

1474
サービスの内容
?薬、病理などの病気に関する技術を身につけてもらう
?生活技術の習得……対人技能など
?生活基盤の援助……住居、生活費、援助システム

1475
いいところをほめる、いいところをみつける
Positive Stroke

1476
DCの機能
?入院から外来への移行時に、昼はDCで固定して移行をしやすくする。
?再入院防止、再発防止に役立つDC

1477
?自立
?半自立(保護的就労)
?家庭内適応

1478
患者は遊び心が欠けている

1479
集団運営
全員参加
プログラムによって選択参加
自主運営(メンバーがまず集まり、自主的にメニューを考える)

1480
生活しづらさを評価する

1481
入院早期に包括的治療計画を立てる。

1482
昼田のあげる分裂病者の行動面の特徴
?一度にたくさんの課題に直面すると混乱する
?注意や関心の幅が狭い
?全体の把握が苦手
?自分で段取りをつけられない
?話や行動が唐突
?あいまいな状況が苦手
?場にふさわしい態度がとれない
?融通がきかず杓子定規
?現実吟味が弱く高望みしがち
?自分中心にものを考えがち
?視点の変更ができない

注釈……無理に分類すると
○受信・処理機能低下
?一度にたくさんの課題に直面すると混乱する……老人にもあり。
?注意や関心の幅が狭い……老人にもあり。
?が原因で?が結果。

○「もし自分が……だったらどうだろう」と考えることができない。老人にもあり。If思考の障害といってもいいかも知れない。妄想は、Ifをたてることができず、Ifと現実を区別できない状態である。頭のなかのIfワールドが壊れている。
立場変換障害というべき面もある。
?全体の把握が苦手……自分から全体への立場変換の障害。
?自分中心にものを考えがち……自己と他者の立場変換の障害。
?視点の変更ができない……柔軟性がない。一種の保続。立場変換の障害。
?自分で段取りをつけられない……全体を見通し未来を想像する力。これもIfの障害。

○現実吟味
?現実吟味が弱く高望みしがち……現実吟味力低下

○状況意味失認……これがもっとも分裂病的。こうしたことについてはSSTの考え方が有効。
?話や行動が唐突……
?場にふさわしい態度がとれない……
?あいまいな状況が苦手……
?融通がきかず杓子定規……

分裂病者の特性でもあるが、老人性痴呆患者の特性でもあるものも多い。

1483
台のあげる分裂病者の社会生活上の問題点
?食事・金銭・服装などの問題を含めた生活技能の不得手
?人づき合い、・挨拶・他人に対する配慮・気配りなどの対人関係の問題
?仕事場での生真面目と要領の悪さ、のみこみの悪さ、習得が遅い、手順に無関心、低能率、低技術、協力しての仕事が難しい
?安定性に欠け、持続性に乏しい
?現実離れ、生きがい・動機付けの乏しさ

全体に認知面の障害がある印象。

1484
分裂病者の認知処理障害の検出に役立つテスト
WCSCT :Wiaconsin Card Sorting Test 図形カードを検査者が意図する分類法を推定して分類する。概念の把握や抽象化、実行機能を評価する。前頭葉機能を反映すると考えられている。
CPT :Continuous Performance tast 注意持続課題
SOA :Span of Apprehension Test 集中時の処理容量を評価する検査。アルファベットを瞬間的に呈示し、その中からTかFを発見する課題。
二重課題 :二つの課題、たとえば視覚課題と聴覚課題のふたつを同時に施行することによって、処理資源の配分が適切かどうか検討できる。

1485
SST
・現存機能の活用による手順の学習
・動機付けの強化(正のフィードバック)と行動の教示(モデリングや修正のフィードバック)

1486
最近の子供
多分脳が根本的に壊れている子供もいる。しつけようとしてもダメ。愛情は逆用される。体罰はブレーキにならず、幼児虐待にまで行ってしまう。

1487
リハの目的とプログラム選択
廃用と欠損
陽性症状に薬、陰性症状に精神療法・作業療法
脳機能障害……傷害と回復の原則……ジャクソニズム
プログラム選択の合理性
リハのシステム化

1488
リハの心理テストとしての側面

1489
寄付文庫……アメニティの向上にはよい。
新聞・広報
講演会
地域共同体医療や集団療法、精神科リハビリテーション作業療法デイケアの認知を広め深める。

1490
老人医療
骨折して転院、足が逆向きについて帰ってきた老人。そんな途方もないことが実際に起こる。

1491
退院後、地域で支える条件が整わなければ、退院してもむなしい
受け皿がなければ復帰意欲がわかない。

1492
Dementia Rehabilitation Program (私案)
三ヶ月で退院してゆく患者について、リハビリを頑張ってもどうせ次の場所で寝たきりにされたら何にもならないという空しさを感じないですむように工夫したい。
情報シートを共有化する。一貫した評価方法とリハビリプログラム。機能レベルをグラフ化して次に手渡す。どの施設で機能低下したか明確にわかるようにする。少なくとも現状を維持したままで次に手渡すことが目標になる。多病院間で一貫したケアを構築できないか考える。
→これは実は「たらいまわし」を前提条件とした上での情報共有化制度である。そもそもおかしなことではないだろうか?

1493
心理教育プログラム
psychoeducation
家族の治療能力を高めることは地域共同体医療にとって本質的に重要である。患者にとってよい治療環境を作ることである。

1494
リハの目標は就労ばかりではないし、退院ばかりでもない。個々人の状況に即して、それぞれのレベルで人生を深めることができるはずである。
リハの目標は、人生を深めることである。

長期目標と短期目標にわけて考える。

1495
入院患者のなかで社会的入院はどれだけいるか。環境を与えれば自立できる人はどれだけいるか。退院自立を妨げている要因は何か、評価する作業が必要である。

1496
精神障害者の自立を阻む社会とは。その視点から社会のあり方、人の心のあり方を照らす。

1497
ばらばらに存在しているやる気と善意と専門知識を結合する努力が必要である。そのためにはビジョンを提示することから始めるのがよい。医療関係者、行政、患者家族など。

1498
院外作業の問題
どんな問題があるか。受け入れる職場に伝えるべき点はなにか。どのようにしてピックアップするか。仕事量の調整など患者のケアはどうするか。労働災害の問題。仕組みが必要。
実は院内作業療法場面でこそ、作業能力を評価できるはずであり、外勤作業療法にもOTが関わるべきであるのは当然である。しかし仕事が増えるのは誰でもうれしくない。

1499
作業療法デイケア訪問看護の広報活動が大切。まず職員の中に動機付けをする。それがひいては患者の動機付けとなる。

1500
デイケア用品、作業療法用品の販売会社を企画する。通信販売で、それぞれの活動用にパックされたセットを販売する。
職員はプログラムを考えたり用具や材料を揃える苦労から解放される。カタログを見て注文すればそれでよい。