こころの辞典801-900

801
分裂病性思考障害
実体は何か。観念連合の障害として、連合弛緩や支離滅裂に至るのならば、当然分かる。→風景の「構成」の消失。世界観の全体構成の喪失。自然な自明性の喪失。それによってばらばらなものが現れてしまう。
しかし論理の形式がずれること、思考力の低下、そのあたりについてはどうか?
→形式……これは全体構成の喪失と同等である。
→思考力……エネルギー低下でもある。一方では、形式喪失と連合喪失の結果でもある。

802
時間遅延理論
全く同一の回路があり、意識状態モニターのための回路からの信号は一瞬早く到着し、そのあとに実際の運動命令が到着する。その差が能動感を生む。

803
両価性
現実チャンネルと妄想チャンネルの二つが矛盾しながら両立している状態。

804
ストレス解消にやけ食い
食行動は自分でコントロールできる。それがヒント。コントロールの病理。

805
YAVIS
young,attractive,verbal,intelligent,and successful.
若く魅力的、言語化能力が高く、知的で成功している。患者がこのような特性を持つとき、治療者が患者によって理想的救世主に仕立て上げられてしまう危険性がもっとも高いため、精神科に限らず他科の医師の場合でも、治療者がいつの間にか患者の精神科的問題を見逃してしまうことが多い。これをYAVIS症候群という。摂食障害の治療の難しさの一面がここにある。(渡辺勉)
→グリックマン,L.S.荒木他訳、「精神科コンサルテーションの技術」1983,岩崎学術出版。

806
全般性不安障害
いろいろな人生の出来事に際して広範で過剰な不安が慢性に続く状態。不安の対象は変化し続け(浮動性:free-froating)、学業や仕事など理解可能なものである。精神症状だけではなく、身体症状も伴うことが多い。

807
離人症の解釈
?自我障害(能動性障害)……内界意識離人症に対しては説明可能。その他については、外界意識の能動性、身体意識の能動性を論じる必要がある。
?DSM解離性障害に含めている。知覚している部分と、それを意識している部分との「解離」と解釈するのだろう。
?中安は、対象化性質の脱落体。(簡単に言えば、通常の認知は「素材+対象化性質」で成立している。実体的意識性は素材が欠けて、対象化性質のみの場合。離人症は素材だけがあり、対象化性質が欠けている場合である。)
?中安は、自己危急反応の症状スペクトラムとして、運動暴発、擬死反射、転換症、解離症、離人症をあげている。Puriのテキストp.188の図10.6。パニックアタックを回避する方策としての離人症
?安永のファントム短縮説。
?木村は共通感覚の障害説(知覚の能動性の喪失)。
?脱相貌化説。(Pauleikhoff)
?時間遅延効果。(知覚の能動性の喪失)

808
・病的不安とは何か……日常生活の不安とは違う
(犬に吠えられる、仁王様の表情、散瞳)
1 何が怖いのかはっきりしない、理由が分からない
2 がつんと死ぬほど怖い(強度の違い)、我慢できない、自 分をコントロールできない
3 人に分かってもらえない
パニック発作とは何か
1 呼吸困難、心悸亢進、胸痛、窒息感、めまい、手足のしび れ、発汗、ふるえ、気が遠くなる。
2 心臓神経症過換気症候群
・スチレッサー・ストレス曲線(?)は人によってかなり異なる
・イェークス・ドットソンの法則(?)……不安と達成度の関係
→ストレスに弱い人がいる‥‥どんな図になるか。
→薬を使うとどうなるか。
・限界ストレスを超えたらどうなるか?
1 過敏状態、緊張、不眠、食欲不振、不安
2 幻覚妄想
3 自律神経症
・病気→引きこもり→薬→生活拡大(デイナイトケア)……グラフで説明(?)
・薬を飲みながら、デイナイトケアに通うこと。その先に仕事がある。

自己危急反応の症状スペクトラム
運動暴発(乱発)
擬死反射
転換症
解離症(ここはどこ?私は誰?)
離人症(脱現実、脱人格)

809
観念連合を調べるテスト
単語から文章に。使えないか?

コンプレックス……かたまりすぎ
s……ばらばら

810
音楽療法
予測能力の再建
予測能力があれば、能動的に聞くことができる。そのときゲシュタルトがつかめる。

811
予測が当たる=能動感の実体

心臓のペースメーカーセルのような、意志生成細胞があってそこで意志が生成されると考えるよりはいいのではないか?

812
Subject2 Sense
    Subject1 Motor Object
?五感
?運動したかどうかは、内部感覚によってつかまえられるものである。筋肉や腱の状態をモニターしているから分かる。
?内部思考・感情
これらの感覚の総合が自我意識を生成している。

S1は一次プロセスも多く含む。
S2は仮説生成する。よりよく当たる仮説を次第に形成する。

S2はs(n)を受けて予測p(n)を生成し、S(n+1)と照合して、採用か棄却かを決定する。

能動性を求めて生きる。根本的本能。
その欠如が「なされるがまま」である。

813
器質精神病
organic psychosis
脳器質疾患に基づく精神障害のこと。傷害が局所的な場合には巣症状を呈する。傷害が全般的かつ急性の場合には意識障害を呈し、全般的かつ慢性の場合には最終的には痴呆に至る。局所的傷害としては脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、中毒、変性疾患、脱髄疾患などがある。全般的かつ急性のものには中枢神経感染症(中枢神経梅毒、脳炎)、全般的かつ慢性のものには脳血管性痴呆やアルツハイマー病などがある。

814
症状精神病
symptomatic psychosis
脳以外の部位に主病変がある疾患の、部分症状または二次的変化として脳に障害が現れる場合をいう。おもな症状はさまざまな程度の意識障害である。

815
通過症候群
transit syndrome,Druchgangssyndrome
Wieck,H.H.による。可逆的脳障害からの回復過程において、意識混濁の前に現れたり後に現れたりする症状群。可逆的脳障害からの回復過程において通過する症候群の意味。重症(主に健忘)、中等症(自発性低下など)、軽症(情動障害など)を区別した。たとえば昏睡を呈した脳外傷後の回復過程では、昏睡、意識喪失、意識混濁、重症通過症候群、中等症、軽症と経て正常に復するのが典型経過である。必ずしもこの通りの経過をとるわけではないが傾向として軽、中、重の区別を置く。またどこかの段階で固定してしまう場合もある。固定したときの障害が全般的であるほど、痴呆の像に近くなる。
器質性脳障害の急性全般性障害は意識障害を主とし、慢性全般性障害は痴呆を主とする。部分的障害は場所に応じてたとえば巣症状を呈し、これにも急性と慢性がある。通過症候群は正常と急性全般性障害と慢性全般性障害の三者のあいだを埋める概念として意義がある。

816
実体的意識性
意識性とはある対象や事物が感覚的要素の媒介なしに一挙に体験される現象。実体的意識性とは、人や物の実体的な存在が感覚的要素の媒介なしに体験されること。分裂病で見られる。
物の存在の実感だけが、物の存在そのものを離れて意識される。たとえば、目の前に椅子はないのに、椅子の実在感・実感がまざまざと伝わってくること。たとえば、隣の部屋に確かに椅子があるとまざまざと実感される。
(?→だんだん拡張されてゆく。)

→これは記憶の病理なのか?馴染んだ物が、今ここにない、それを懐かしむということがあり得る。……しかしこれではない。→しかしながら、記憶の病理として記述することもできそうである。デジャ・ビュの関連で考えられないか。

離人感は物があるのに実感が消失している。

→感覚の能動性の一人歩き。対象物がないのに、その対象物に能動性が付与すべき実感が発生している。そのような異常。

817
神経梅毒
neuro syphilis
中枢神経系を梅毒の病原体であるトレポネーマ・パリドゥムが侵すもので、いくつかのタイプがあるが、その中心は脳神経細胞の変性脱落を来す進行麻痺(general paresis,progressive Paralyse)である。感染から10年かそれ以上経ってから精神神経症状が始まり、痴呆と人格変化が中心である。躁的・誇大的になったり逆に抑うつ的になったりする。アーガイル・ロバートソン徴候は、対光反応が消失し輻輳反応が保たれているもので、診断に役立つ。近年は梅毒は再び増加の傾向にあるとも言われている。
進行麻痺の有名人は数多く、ニーチェシューマン(疑い)など、日本では大川周明などが有名である。野口英世は脳内にトレポネーマ・パリドゥムの存在を証明したことで有名である。

818
宗教団体内部での集団性。
アメリカでの「集団」と「個の独立。」

819
感覚=赤。丸い。小さい。(要素的)
知覚=リンゴ。(全体のまとまりとして把握)
認知=リンゴは体にいい。今が食べ頃のリンゴ。彼からもらった。(価値など諸情報を付与。知覚情報を加工するプロセス。)

820
認知 cognition
デカルトのCogito ergo sum.の「コギト=考える」が語源。

821-1
分裂病モデル
?感覚情報・現実情報
?現実モデル
?空想産生
?照合・棄却
以上の四部分に分け、考察する。→図(821-2)。

・脳の目的は「よりよい現実モデルを形成すること」である。
・照合の結果を現実モデルに反映させて、よりよいモデルに成長させられる。
・空想を現実情報と現実モデルが抑圧する→抑圧モデルとして使える。
・能動感は、?、?が?よりも早いことで達成される。現実を先取りする=予測することで能動感(むしろ能動感の錯覚)が生まれる。
・?空想が?現実モデルよりも早くなったとき、一次プロセスの突出が起こる。幻声、させられ体験など。
離人は「感覚の能動性の欠如」である。?、?が?よりも早いことで「実感」「実体感」が生まれる。このモデルのよいところは、感覚の能動性の内容を一般化して説明できる点である。
・もっと精密なモデル(821-3)。現実モデルを参考にして空想プロセスは空想を産生する。
・?ー?と?ー?とのどちらが近いか比較して、現実情報に近い方を選択する。それを現実モデルの一部として採用し、現実モデルを作り変えつつ、認識と行動がつながってゆく。
・?と?が待っているところに?がやってきて、照合が始まる。結果がよいものを現実モデルに繰り入れる。予測がうまく当たっていれば、能動感が生まれる。現在採用している現実モデルは、子供の頃から使ってきたものであるから、そんなにひどく現実とずれているということはない。また、基本的な骨格は「遺伝的に形成され、伝達されたもの」であろう。従って、実際は現実との微調整をしているということだ。
・「遺伝的に受け継いだ現実モデル」であるが、そこにも軽微な突然変異が起こっている。そしてよりよく現実を写し取っているものが次の世代では多くなる(自然選択)。
・後天的に身につける部分はむしろ微調整であろう。この場合、微調整の能力を試されていることになる。
・結局、?先天的な現実モデルの出来、?現実モデルの微調整の能力(これは空想産生と照合の能力による)、の二種の能力がかかわっている。
・照合をゆるめる。空想機能の優先。→夢や創作。

・821-3について。感覚情報が与えられたとき、次の世界の状態はどうなっているか、予測する。(その洗練された形が物理学である。現実モデルと空想産生は数学そのものである。数学者の仕事と性欲のピークが重なることを考えてみよ。)→予測には二つある。ひとつはこれまで蓄えた現実モデルによる予測。安定している、飛躍はない、未曾有の事態には対応できない、歳をとるにつれて精密になる。他のひとつは空想産生機能による予測。不安定であるが、ときに飛躍を生む。
・この図で、「意識」の場所はどこか?「照合」の場所が意識に近いのではないか?

・次に障害各種。
・現実モデルがはじめから壊れている。→?MR
・現実モデルが後天的に壊れた。→(風景の)構成喪失型。自然な自明性の喪失。
・空想産生能力が壊れた。+現実モデルは精密。→老人型。常に過去を参照する。試みをしない。
・空想産生能力が壊れた。+現実モデルは出来が悪い→単純型。
・照合機能の異常。→自我障害型。破瓜型の一部。
・照合機能が壊れていると、現実モデルを微調整することができない。→成長停止。破瓜型の一部。
・照合機能が少しだけ壊れていると、長い時間の後に、現実モデルが現実から離れてしまう。→妄想型。体系的妄想。
・現実モデルは壊れて、空想は活発→若年、妄想突出型(の破瓜型)。

822
離人
知覚の能動性の意味
知覚の能動性とは何を意味するか。
感覚→知覚→認知と高次の脳内処理になるにつれて、外来素材に脳内の概念や理解を付加している。そういったそれぞれの段階が知覚における能動性とも考えられる。
そうした機能が欠けていれば、最終的に「感覚素材のままの赤」であるにとどまるだろう。
外界の事物に「実感」が性質としてあるわけではない。「机」だけが周囲から飛び出して、地に対する図のように見えるはずはないのである。そういった現象が起こるのは、脳が机を特別のものとして見ようとエネルギーを集中させているからだ。

823
離人
(引き算と反対状態の考察)
?反対は「実体的意識性」。素材と実感の分離。→過剰または消失を考えるのには適さない。→しかし連続体を考えた方が落ちつきがよい。
?知覚の能動性の欠如。→能動性の欠如は最終的には他動性にまで進展するだろう。能動性の過剰は「生き生きとした感じ」なのだろうか?
?解離障害説。恐怖から心理的に遠ざかる。一種の防衛反応。→極端なものは擬死である。
?共通感覚の欠如。
?脱相貌化。過剰相貌化の反対。→幻覚妄想と反対極の事象となる。

外国のはじめての事物の新鮮さ。
いつもの風景の陳腐さ。これらは離人と関係があるのだろうか?

824
脱相貌化の病理
色盲検査の絵……見せられてすぐは何のことだか分からない。少しすると形が見えてくる。離人の人は「何だか分からない」状態のままで停止している。
脱相貌化……正常相貌化……過剰相貌化(パレイドリア……幻覚・妄想)
一連のもの。連続体。
正常の場合、「机」を見て、一瞬のうちに相貌化が進行する。離人の場合、机を見て、相貌化が進行せず、色盲検査の絵のような状態にとどまる。この比喩の段階が分かるか?
テレビを見ても粒が見えるだけだ。風景は絵葉書のようだ。風景はガラスを通してみたような感じだ。
脱相貌化は有力説である。→このようなタイプの離人もあり得るということだ。
ゲシュタルト形成」と言っていいだろう。
色盲検査の絵+ゲシュタルト=形
机+ゲシュタルト=実感を伴った机
引き算で定義される何かがゲシュタルトである。それは脳が付与しているものである。

825
ゲシュタルトの実体は何か?

実際の世界は、色盲検査のカードのように「のっぺりした」「平板な」ものなのだと思う。「テレビがただの粒の集まりに見える」のは全く正しい感覚なのだ。ただ、人間の脳はそれを知覚にさらには認知にまで加工する。その加工のプロセスに能動性が存在している。
そうした加工の際に参照される世界のモデル・現実のモデルがゲシュタルトである。
ゲシュタルト崩壊と言うとき、現実モデルの崩壊と、現実モデル参照機能の崩壊と、両方の意味があるだろう。

826
たとえば、離人の場合に、患者が自身の内的状態を表現する。そこに巨大な問題が横たわる。
「目の回りにゼラチンの層が10センチくらいある。」と言ったとして、どこまでが比喩だろうか?全部その通り、比喩ではないと言ったとして、果たしてそうか?言語化能力の問題。言語使用の癖の問題。
できれば全く心理学を知らない人か、逆に心理学を完全に理解している人か、どちらかにして欲しいものだ。
患者は本当のところ何を語っているのか?それが問題である。
本で読んだことに引きずられて語るという場合も大いにあるだろう。

827
内部状態について「自分のものでないようだ」「なんだかぼんやりしていて自分ではないような感じで」という人が、自身の状態について語る言葉の何が真実であるか?

828
感覚に際しての実感の成立が、
A→B→C→D→E→F
であったとする。「感覚の実感が失われる」タイプの離人症状が成立するためには、AからFのどれかひとつが欠けるだけでよいはずである。そしてそれぞれの場合にやや異なったタイプの離人感が成立するはずである。これをさらに詳細に議論できないか?

可能性としては、
S系
?脱相貌化・過剰相貌化の軸→これは幻覚論に結合できる。
?実体的意識性との対比から、素材と実感の説。(ファントム説も似ている)→しかし広がりに欠ける。
?能動性消失の病理。過剰能動性は?他動性との関連は?(木村など)感覚の能動性の内実を明らかにする必要がある。→能動性の軸は自我障害の問題になる。これは大きな軸。
?ゲシュタルト崩壊→実感を生成する場所または実感を参照する実感プール(ゲシュタルト)の崩壊?だとすれば、実感と素材の分離説の?に近い。(現実モデルと照合・棄却モデルを考えている)

うつ系

神経症
?自己危急反応説。高度なストレスに対する解離反応の極端なもの。防御反応である。パニック等価体。→分裂病うつ病というよりは、さらに広範な対ストレス・防衛反応。

分類不明
?共通感覚障害の病理(木村)

以上の説は、それぞれ違ってものをいっているのか、どのようにとなりあっていて、どのように重なり合っているのか?

829
図説方式は魅力がある。やってみたい。

830
名前は親がつけるから、親の価値観や教養である。それを一生背負うのは大変なことだ。そして自分の価値観や教養は自分の子供の名前になる。このようにして世代間の伝達が行われる。

831
過換気症候群で救急車で運ばれる人は、東京で一年に12000人以上。

832
けいれんの種類
convulsion:てんかんの発作
apasm:まぶたのぴくぴく
cramp:こむら返り

833
絵描きがいつまでも若々しく長生きをする理由。
現実原則と空想原則のバランスがいい。空想産生力を保ち続けている。描くことは空想産生力を保持させる。現実モデルによる抑圧のメカニズムをある程度制限している。年をとるにつれて、現実モデルだけに頼りがちであり、そのことは老化を促進している。

834
不安の二種
パニック(理解不可能な不安対象)‥‥「生命の注意信号」の誤動作‥‥アドレナリン系反応
持続的不安(たいてい理解可能な不安対象)‥‥「適応レベルについての注意信号」‥‥遺伝子作り替え指令・免疫・DNAと連なる経路‥‥ギャバ系反応?
グラフ→

835
「電車恐怖症」と呼ぶ場合にも、さまざまにものが含まれているようである。恐怖症の要件を満たすもの、妄想症の様相を呈するもの、うつ気分の延長、性格障害の一部、など。

836
三環系抗うつ剤が効く症状をひとまとめにできないか。→できるはず。共通性を考えろ!自己危急反応の誤動作として解釈できないか?
うつ
パニック
強迫症
体感異常

うつも自己危急反応の一面がある。一種の防衛反応である。
時に自殺するのはなぜ?→個体としてではなく、種としての防衛反応である。
配偶者の死‥‥もうお前も死んだらいいという、集団からの圧迫。集団内の「ユニットの死」である。大家族ならばユニットの死とは考えられないだろう。

837
うつ病の妄想は二次妄想である?
一次妄想があるからその結果としてうつ状態になった場合にはむしろ分裂病パラノイアと言った方が正しい。

838
強迫性行動様式
これも防御反応の面がある。→証拠は自我の二重化!
不安信号に対して、反応するひとつの選択肢。

839
感情 feel,affect
情動 emotion‥‥天気‥‥一時的・身体反応を含む
気分 mood‥‥気候‥‥長期的
情緒

840
interpersonalとintrapsychicの違い

841
「心の問題が体に出る」という言い方は正しいのか?

842
袋に穴があいていると、中の液体が流れ出る。
穴がなぜあくかを考えるのは、精神病理学である。器質性の何かを考慮することも多い。
何が出てくるかは、何を入れたかによるだろう。それを考えるのは精神分析などである。
袋を溶かしてしまうような液体を入れたとすれば当然、袋には穴があくだろう。しかしだからといって、全てをそのような説で割り切るのには無理がある。たいていは中身と関係なく、穴があいているのである。

843
「医者はみんな、まずカフェイン中毒を治しましょう、我慢しなさいとだけ言う。なぜカフェイン中毒になったかを知ることが大切なのに。そのことを自分でよっぽど考えているんだけど、わかんない。
こんな人に任せておいていいのかなって思っちゃう。絵なんか描いてたってどうなるの。先生はどうしてこんな風な関係の仕事を選んだんですかって聞いたら、たまたまそんな関係の学部に入ったからとか何とか、そんな話で。がっかりしちゃった。
仕事してても、こんなのどうでもいいなって思う。何やってんだろうって。大事な問題は解決されていないのに。
甘えているかも知れない。自分でもどうなんだかわかんないんですよね。それを分かりたくて来てるのに、ただカフェインを我慢しろって言うのはどうなんだろう。心理的な深いことをなぜもっと探求しないのか。」矢島。
治療者が治療者になった動機を聞いて理解できなければどうだというのだろう。個人情報に立ち入る態度は境界型。「すごい事件」を言いたくて、聞いて欲しくてうずうずしている。いったん聞いたら、「あなただから思い切って教えてあげたんだ。あなたからのリターンは何なの?」となるのだろう。べったりしている。女には敵意。男にはべったり。
お前の吐き出す「排泄物」なんか聞いてもしょうがないのだ。

844
患者の不安
癌を宣告された患者の不安をどのようにしてマネージするか。同様のことが精神病者にも言えるはずだ。不安の制御が必要である。

845
恋愛転移
仕事で優しくしているのに、それを恋愛感情と見誤る。人間には恋愛転移の傾向があるからこそ、実際の恋愛も発生するし、結婚もできるのだが、仕事の上では支障になることもある。
看護の仕事やカウンセラーの仕事はその点で難しい。優しくすることがそのまま恋愛転移の誘因になる。たとえば「あなたのような人と結婚する人は幸せですよ」と言えば、誤解のもとになる。

846
海馬
hippocampus
側頭葉の下内側にある海馬は短期記憶の一時的メモリーと言われている。アルツハイマー病では病気の初期から海馬が萎縮しており、短期記憶が障害される。海馬はギリシャローマ神話に出てくる上半身が馬、下半身がウナギのような姿をした怪物。海の神ポセイドンが乗り回していた。この怪獣の前足の形に似ているので名付けられた。タツノオトシゴもhippocampusという。

847
アンモン角
脳を垂直に切ると、海馬がくるりと巻いている様子が分かる。古代エジプトのアンモン神は雄ヒツジに似ていて角が大きく内側に巻いている。アンモナイトは「アンモンの石」の意味であり、巻き方がアンモンの角に似ているので名付けられた。

848
扁桃体
扁桃とはアーモンドのこと。扁桃体は快不快の判断をするセンターであるといわれる。記憶は海馬や側頭葉にプールされており、判断の材料となる。
サルの側頭葉を切除するとクリューバー・ビュシー症候群(Klu”ver-Bucy syndrome)が見られ、扁桃体の働きが失われることが中心ではないかと見られている。?精神盲を思わせる状態。?oral tendency 何でも口に入れる。?hypermatamorphosis あらゆる視覚刺激に強く反応する。?情動反応の欠如。?性行動の亢進。?食事習慣に対する異常行動。

849
視床下部
内分泌のセンター。自律神経システムのベースキャンプ。

850
視床下部の満腹中枢(腹内側核)には女性の第二次性欲中枢がある。
摂食中枢(空腹中枢)のすぐそばには激怒と男性の第二次性欲中枢がある。だから空腹では怒りっぽくなる。

851
神経性食思不振症の患者の尿をラットに注射すると、食欲がなくなって痩せる。

852
脳炎
encephalitis
感染性による脳の炎症を脳炎と呼び、脳器質疾患の原則通り、典型的には急性期には意識障害が、慢性期(後遺症)では痴呆や人格水準低下が見られる。
蚊により媒介されるアルボウィルスが引き起こす日本脳炎 encephalitis japonica は後遺症としててんかんや知能遅滞、人格変化を残す。エコノモ脳炎(嗜眠性脳炎)は日本ではほとんど見られないが、脳炎パーキンソン症候群で筋強剛が特徴的である。亜急性硬化性全脳脳炎(SSPE:subacute sclerosing panencephalitis)は麻疹ウイルスの感染によるもので、脳波での周期性同期性発射(PSD:periodic synchronous discharge)が有名である。単純ヘルペス脳炎は、免疫不全者に見られることがあり側頭葉症状(高度の記憶障害やKlu”ver-Bucy症候群)が特徴で Acyclovir を投与する。予防接種後の脳炎は神経アレルギーによると考えられている。40〜50歳で発病するクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jacob disease)は亜急性海綿状脳症を呈し、プリオンによるものとされる。AIDS痴呆症候群(AIDS dementia complex)はHIV(human immunodeficiency virus:ヒト免疫不全ウイルス)による亜急性脳炎であり、高度の痴呆に至る。HIV感染では免疫不全からヘルペス脳炎などの日和見感染が起こる場合もある。

853
動脈硬化
cerebral arteriosclerosis,Hirnarteriosklerose
脳動脈の粥状硬化による脳血流量低下と、それによる二次的脳病変により生じる症状が見られ、中心は記憶障害を主とする痴呆である。
動脈硬化症の原因として高血圧があり、高血圧はそれ自身で脳障害を起こす。高血圧性脳症(hypertensive encephalopathy)では最低血圧の上昇により脳浮腫が起こり、一過性の頭痛や吐き気、視力障害、ときに意識障害が訴えられる。被害妄想や嫉妬妄想を呈することもあるが予後は比較的良好である。
動脈硬化症の初期症状として頭痛、頭重、めまい、耳鳴り、睡眠障害などの自覚症状が見られる。こうした高血圧性脳症と区別の付かないような状態が続いた後で、まだら痴呆、情動失禁、夜間せん妄などの特徴的な症状が現れる。痴呆症状を指して言う場合には、脳血管性痴呆と呼ぶ。

854
一過性脳虚血発作
TIA:transient ischemic attack
脳血管の攣縮や脳小動脈の血栓によって脳血流が急激に低下するために起こるもので、虚血の部位によりさまざまな症状が起こる。多いのは軽い意識障害であり短時間のうちに回復する。しかし一過性脳虚血発作を繰り返しているうちに脳梗塞(脳軟化)が起こるので注意が必要である。
海馬付近で虚血発作が起こると一過性全体健忘(TGA:transient global amnesia)が見られる。中年以降に突然起こる後遺症のない前行性健忘で、逆行性健忘を伴う。海馬が短期記憶の一時的プールであることを推定させる現象である。

855
脳出血
cerabral hemorrhage,Hirnblutung
好発部位は線条体動脈、視床動脈、橋の動脈など。好発時刻は、活動時で、血圧が高まったときである。急激な髄膜刺激症状(頭痛や吐き気など)や意識障害で発症する。

856
脳梗塞
cerebral infarction,Hirninfarkt
脳動脈の血流が途絶えると脳組織の一部が死ぬ。脳梗塞には脳血栓と脳塞栓がある。脳血栓の場合が圧倒的に多い。
脳塞栓は心臓の心弁膜症などで心房内に形成された栓子(embolus)が、脳に飛び、多くは左中大脳動脈領域に閉塞を作るものである。青年に多く急激な片麻痺意識障害を起こす。
血栓ができるのは脳動脈での粥状硬化による血栓形成が第一にあげられる。高血圧や高コレステロール血症が続いていると、動脈壁に傷がつき、そこから血栓が成長して動脈を塞いでしまう。はじめは一過性能虚血発作の形をとるものが多い。
そのほかに血液が固まりやすい時に血栓ができやすい。脱水になり血液が濃縮されているときや血液凝固系が促進されているときなどが危険である。とくに一度脳梗塞で倒れて片麻痺が残っている場合など、トイレに行くのが大儀で水を意識的に制限して飲まず、結果として脱水症状、さらには再度の梗塞を起こすことがある。

857
ゲルストマン症候群
Gerstmann’s syndrome
血栓による巣症状のひとつのタイプとして有名である。?手指失認?左右障害?失書?失算の四つが条件であり、優位半球の後頭・頭頂境界領域に責任病巣があるとした。実際にはこの四つが揃うことはまれであり、構成失行や視覚失認などの症状を伴うことも多いとされる。ゲルストマンの1924-30年の仕事であり、道具も乏しい時代によくやったものだと感心させられる。

858
頭蓋内脳動脈瘤
intracranial aneurysm
先天的なものが多く、脳底動脈に多い。大きくなると動眼神経を圧迫して動眼神経麻痺を引き起こすことがある。破裂して出血すると致命的なことがある。

859
くも膜下出血
subarachnoid hemorrhage
頭蓋内脳動脈瘤の破裂によることが多く、くも膜下腔に出血し髄膜刺激症状を呈する。突然の激しい頭痛から意識障害に至る。

860
脳腫瘍
brain tumor
脳に腫瘍ができると頭蓋内圧亢進症状と脳局所症状が現れる。頭蓋内圧亢進症状では頭痛、嘔吐、うっ血乳頭の三主徴が有名である。早朝からの頭痛、噴射性の頭痛などが特徴とされて記載されている。局所症状としては前頭葉でモリア(moria:諧謔症、多幸的・軽率・抑制欠如の状態)、側頭葉で記憶障害、頭頂葉で失行・失認、後頭葉で視覚失認などさまざまなものが発生する。
頭蓋咽頭腫(craniopharyngioma)はレントゲン写真で歯が見えることがあるので有名である。
下垂体腺腫(pituitary adenoma)ではホルモン産生腫瘍の場合がある。副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍では副腎皮質ホルモン過剰となり、肥満・ムーンフェイスとなり精神的にも躁またはうつを呈することがある。乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)産生腫瘍ではおっぱいが出る。成長ホルモン分泌腫瘍では末端肥大症になる。下垂体腫瘍は視神経を圧迫して視野欠損を引き起こすことがある。
子供の頃から成長ホルモンの産生が多いと巨人症になる。しかしその人の下垂体が視神経を圧迫していると、両耳側半盲となり視野の外側が欠けてしまうことがある。その人がピッチャーになっても視野のすみでランナーを見ながらのけん制球がうまくできない。なお巨人病は巨人症とは別のもので、日本プロ野球界特有の傾向であり、次第に減少しつつある。

861
視床痴呆
thalamic dementia
視床腫瘍、血管障害などで発生する。両側視床内側部の病変では近接記憶も遠隔記憶も障害される。視床の障害では視床症候群が有名で深部知覚障害、反対側半盲、半側性注意障害、視床痛などが見られる。視床の障害ではその他に視床手、半側アテトーゼなどさまざまな興味深い症状が見られる。

862
ヒステリーとカタトニーの減少
どちらも身体表現性の病理、どちらも先進国で最近は減少。
ということは、カタトニーとは、分裂病のヒステリータイプではないかと考えてみる。
かわって行動表現型の病気が増えている。
こうしたことはなぜなのか?
intrapsychicからinterpersonalへの変化とも重なるものであろう。個人内病理から、対人関係病理へ。
超自我装置の弱体化と関係しているだろうか?

リビドー→超自我抑圧→身体化→ヒステリー・カタトニー

リビドー→??抑圧→行動化→境界例など
リビドー→自我抑圧→内省化→うつなど

863
集合的無意識と被害妄想
被害妄想はおそらく集合的無意識の層から発している。そのような構造が刻み込まれているのだ。
蛇恐怖なども同様に集合的無意識から発している。

集合的無意識は遺伝的に受け継いだ記憶である。

864
現実モデル=記憶=遺伝的無意識+個人的無意識+個人的意識=遺伝的無意識的記憶+個人的無意識的記憶+個人的意識的記憶
はっきり意識できる記憶は個人的意識的記憶だけである。
そのほかは無意識的なもので、記憶としても再生はされず、現実判断の際に参照されるだけである。事柄自体は再生されず、ただ構造だけが再生されて、現在の事柄を整理し理解し判断し実行することに役立てられる。
文書を作る。内容は現在のものだ。書式は過去のものを参照する。過去の文書には内容もあるが、それは再生されない。ただ書式のみが再生されるのである。

865
記憶の再生・形式の再生と内容の再生
内容が再生されるのは意識の層。形式が再生されるのが無意識の層である。

866
頭部外傷
head trauma
トラウマといえば心的外傷を指すことが多いが、本来は肉体的外傷のことである。脳震盪(しんとう)、脳挫傷(ざしょう)、頭蓋内出血などを区別する。
脳実質に損傷は起こっていないものを脳震盪といい、意識障害が起こる。ときに健忘を伴う。
脳実質に器質的損傷が起こったものが脳挫傷であり、重篤意識障害が生じる。そのほか損傷部位に応じた局所症状や逆行健忘が見られる。
頭蓋内出血は出血部位によって分類し、脳内出血、くも膜下出血、硬膜内出血、硬膜外出血がある。受傷直後に意識障害を発症することもあるが、しばらく無症状期(lucid interval)があって、その後で頭痛・吐き気や意識障害が始まることがある。

867
過敏性情動衰弱状態
hyperaesthetischemotioneller Schwa”chezustand
頭部外傷による意識障害から回復した後の、間脳の機能障害を中心とする自律神経障害をいう。頭重、めまい、耳鳴り、睡眠障害などが見られる。頭部外傷後遺症のひとつ。

868
外傷でコルサコフ症候群が見られることがある。

869
失外套症候群
apallic syndrome
大脳の皮質と白質の広範な障害により大脳の機能が失われた状態で植物状態の一種。精神活動は失われるが睡眠覚醒や栄養は保たれる。上肢屈曲、下肢伸展の除脳硬直姿勢をとることが多い。目は動くが、対象物を見ているようではない。

870
無言無動症
akinetic mutism
ケアンズが報告した。植物状態のひとつで、開眼昏睡の一型である。失外套症候群との区別については議論があり、あまり区別しないで用いる場合もあり、意識混濁を伴うものは無言無動症で、失外套症候群では意識混濁はないとする考え方もある。

871
人格水準低下
Niveausenkung,level down
脳の損傷により、自発性減退、多幸、抑制欠如、易刺激性亢進、道徳感情低下、粘着・爆発性などの傾向が見られることがある。前頭葉などの損傷による高級機能の欠落症状(ジャクソニズムでいう陰性症状)と、本来の性格の先鋭化・低次機能の突出(ジャクソニズムでいう陽性症状)が重畳して症状形成されている。外傷、薬物、アルコールそのほか原因によらず、脳損傷がある程度以上進行すると現れる。さらに脳損傷が進行すると痴呆に至る。
このように脳損傷の原因によらず最終的には人格水準低下から痴呆に至る進行のあり方を最終共通経路(final common pathway)という。

872
外傷神経症
traumtic nuerosis
=賠償神経症 Rentenneurose
外傷後、自覚症状を裏付けるような器質的損傷が認められないのに、心気・不安・自律神経症状を呈するものをいう。背景に性格、生活状況、受傷状況などがある。
なかでも賠償が不十分であるとの不満が関係していると推定されるものを賠償神経症と呼ぶ。
外傷後ストレス症候群(PTSD)とは別。

873
一酸化炭素中毒
carbon monoxide (CO) poisoning
古くは炭坑で、最近では都市ガス、炭火、練炭、自動車の排気ガス(自殺目的)などによるものが多い。COは酸素よりもヘモグロビンとの結合力が強く、CO中毒の状態では血液は末梢に酸素を運ぶことができなくなる。皮膚が鮮紅色を呈するのはCOの結合したヘモグロビンの色である。藤井稔(1960)は一酸化炭素中毒で淡蒼球が対称性におかされることを指摘した。
軽度の場合には頭痛、悪心、嘔吐などであるが、重度の場合は急性期には意識障害が、慢性期(後遺症)には健忘や錐体外路症状などの各種神経症状が見られる。
ときに間欠型(interval form)を呈する。急性期の意識障害がいったん軽快した後に、無症状期が訪れ、1〜3週ののちに再び意識障害神経症状が見られるものである。

874
不安傾向と不安状態
trait anxiety と state anxiety
不安傾向は生涯にわたる人格傾向であり、不安状態は開始を特定できる一時的な病的状態である。両者の不安を区別すべきである。

875
目で見る→こちらの能動性はやや難しい。しかし内在していることは確かである。能動性という言葉がまずいのかも知れない。
手で触る→こちらには明らかに能動性がある。

ものの実感は各感覚の総合。目で見ているときに触覚などを想起し、また、触覚を予測していたりする。

876
離人
ものが変化しているのではなく、自分の感覚が変化しているのだと知っている。

877
症状が妄想につながる経路
心気症→心気妄想
対人恐怖(加害恐怖)→加害妄想

加害恐怖は結局、「嫌われる恐怖」である。

神経症態   妄想態
心気症    心気妄想
加害恐怖   加害妄想
強迫症    ?
離人症    ?
不安     ?
神経症性うつ 妄想性うつ(微小妄想は二次妄想である可能性がある)

対応物を考えてみる。対応物がないなら、防衛反応である可能性がある。

878
離人
もの・自分の体・自分の心をとくに区別する必要はないのではないか?
Q.これらが混合して、いずれとも分類不可能な場合はあるか?「分類できない一種類の体験」はあるか?

離人は対象の性質ではないのに、対象の性質によって区別しているのはおかしい。

879
brain disease……subjective distress
mental illness……objective physical pathology

原初の病理に対する反応……reaction=illness

880
質の違い
panic :adrenal
anxiety,Angst :GABA
シグナルとしても差がある。

881
慢性患者に付き合うときの特有の辛さ
人生の些末な一場面でしかない場合と、人生の主な舞台の登場人物である場合と。

882
熱や咳が症状とは言っても、防衛反応であること。これの延長で解釈できる精神症状があるのではないか。
捕食者に襲われる→パニック
排除の恐怖→対人恐怖social phobia

883
不安欠如の病はあるか?
不安信号がなければ、すぐに死ぬか怪我をしているだろう。そそっかしさ。むこうみず。命知らず。

884
「メモリー=現実モデル」 同一仮説 →図

モリーは、意識、個人的無意識、集合的無意識に分けられる。無意識は、内容ではなく形式が読み出される。(そのことによって、新しい事態にも役立つものになる。)無意識の意味はそういうことだ。

885
区別。
nervous
fear
anxiety
panic

886
ストレスホルモン cortisol
→protect bodyの面がある。

887
anxiety は外的から身を守る働きがあるから、過剰なくらいでよい。escape and avoidanceである。
しかしそれではbody damageがきつくなる。stress病。

888
pain and fear は身を守る。本来は有益信号。それが邪魔な症状となる経緯について。

889
生まれてからヘビを見せたことのないサルは恐がらない。ビデオでヘビを恐がっているサルを見せると、ヘビへの恐怖が発現する。遺伝子にプログラムされていたものが発現する。
花を恐がっているサルを見せても花を恐がるようにはならない。

890
恐怖の出現を制御するものがあるはず。→学習理論。
hight,snake,spider.

891
のどで気管と食道が交叉している。これで窒息も生じるが、仕方がない。その理由?
直立歩行では手が自由になったが、その代わりに腰痛が起こった。
→同様に、精神症状の得失を考えられないか?

892
生体の誤反応の例。たとえばアレルギー。アトピー。必要な免疫反応と、過剰な免疫反応。
→同様に、精神症状を解釈できるか?

893
抗体と細菌が勝負する
細菌は抗生物質に対して大部分が死んでも、たったひとつが耐性となって生き延びれば、あとは勝利である。これは強い。抗生物質を作るときにこの大量試行錯誤と選択のプロセスがないので不利である。
たとえば、大量の豚で、その細菌に対する抗体を作る。数ある中には必ず有効な抗体もあるはずである。この抗体を人体でも作ることができるように仕組めばよい。これなら大量試行錯誤が可能である。

894
亜急性海綿状脳症
subacute spongiform encephalopathy
scrapie、ミンク脳症、Kuru、クロイツフェルト・ヤコブ病では、灰白質を中心に特徴的な海綿状態が見られる。つまり、脳実質の一部が脂肪組織に置き換わっており、全体としてスポンジのようになる。

895
無動無言症
目を開いて意識があるように見えながら、眼球運動以外は自発的身体運動がない、植物状態の一種である。Cairnis(1941)らが意識障害の一型として報告した。障害部位は主として脳幹である。

896
メニエール病
めまい、耳鳴り、難聴が反復する内耳疾患で、原因不明。
めまい、ふらつきの鑑別診断は耳鼻科に依頼することも多い。前庭神経炎後遺症とかメニエール病とか、何か分かれば患者さんは落ち着く様子である。

897
水銀中毒
mercury poisoning
無機水銀と有機水銀が原因になる。水俣病メチル水銀化合物が工場→排水→魚介→人間の経路で体内に取り込まれて発症した。症状は小脳性運動失調、意識障害、知能障害などが見られた。胎児性水俣病は高度の知能障害が見られた。

898
有機リン中毒
農薬の有機リンは抗コリンエステラーゼ作用がある。中毒状態ではコリンエステラーゼが減少し、コリンが多くなり、悪心・嘔吐、下痢、縮瞳などの副交感神経刺激症状が見られる。

899
パーキンソン症候群
Parkinsonian syndrome
パーキンソン病(振戦麻痺 paralysis agitans)が古くから記載されており、同様の病像を呈する疾患がいくつか発見されて、まとめてパーキンソン症候群と呼んでいる。パーキンソン病の他に、脳炎後パーキンソニズム、線条体黒質変性症、パーキンソン・痴呆複合(グアム)、薬原性、脳動脈硬化症などが原因として知られている。
三大症状は筋強剛(筋固縮)、寡動(無動)、振戦である。四肢を他動的に屈伸させようとすると、筋強剛のために歯車を回すときのような小刻みな抵抗を感じる(歯車現象)。寡動では運動開始の困難が特徴で、歩行開始時の困難(すくみ足)などが見られる。目印があったり階段だとすいすい歩けるので、筋強剛のせいだけではない。振戦は静止時振戦で、丸薬を指先で丸めるような(pill-rolling)とも形容される。
自律神経症状としては発汗、あぶら顔、唾液分泌過剰、便秘などがある。抑うつなどの精神症状が見られることもある。
以上の症状は黒質線条体系でドーパミンが欠乏するため、抑制系である尾状核の機能低下、ひいては淡蒼球視床腹外側核系の機能亢進をきたす結果起こる。
治療はトリヘキシフェニディール、ビペリデンなどのほかに種々の薬剤が試みられている。
向精神薬の副作用として頻度の低くない症状であるが、抗パーキンソン剤を加えることで緩和できるので心配は要らない。

900
アテトーゼ
athetosis,Athetose
筋緊張は亢進したままでゆっくりとくねる不随意の運動が顔面、頚部、上下肢などに見られる。遠位筋に優位といわれる。緊張すると出やすいと訴える。錐体外路症状のひとつ。