詩・短歌・俳句を作る方法
言葉をプロックのように組み立てて積み上げる。
ことばにはそれぞれ、意味、イメージ、音、形、色、香り、などの性質があり、それらの配列が詩的感興を呼び起こすように並べる。
「言葉にはそれぞれ色がついていて、わたしには見える。そうした色の配列が意味の配列と一致していないと失望する」そのような意見があったと記憶する。
川端康成は、小説を朗読に使いたいと申し込まれて、自分の小説は、目で見て読んで鑑賞するように作ってあるものだから、朗読をしてもらっては困るとの意味の返事をしたという。
言葉にせいぜい意味と音と形くらいしか見ないなら、制約は少なく、原初のコンセプトがあれば、詩文は簡単にできる。
言葉に色や香りやその他の性質を見てしまう人は、制約が多くなり、簡単にはできない。
言葉の周囲に際限なくひろがるイメージを気にしてしまう人にとっては、無理に言葉を並べることはかなりの苦痛であり、冒険だろう。
鈍感なわたしは数種の色しか見えないので、作りやすい。
最近はパステルピンク、パステルオレンジ、パステルグリーンの三色の組み合わせを探求している。
鈍感な人ほど、詩文を作ることができるという逆説にも通じる。
鈍感な人でなければ、言葉がぶつかり合っているのが見えてしまい、表現をあきらめてしまうだろう。
そしてただ古典を愛する態度になる。
Last updated Jun 6, 2006 03:35:43 PM