大伴家持 春の愁い

大伴家持 春の愁い

職業的技巧の二首

鶯の 鳴き散らすらむ 春の花 何時しか君と 手折りかざさむ

鶯の 来鳴きとよもす うめの花 かざしにはせむ 君と手折りて

春の愁いの三部作

うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心かなしも 一人し思えば

わが宿の いささむらたけ 吹く風の 音のかそけき この夕べかも

はるののに かすみたなびき うらがなし このゆうかげに 鶯なくも

わたしにとって春は愁いの春である。
その気持ちを形成する一部は明らかに
上記家持春の愁いの三部作である。