二人だけの倫理と二人だけの愛

2006-3月11日
ドラマ「白夜行
いよいよすごいことになっている。笑える場面がない。みんながみんな極度にまじめであまりにも不幸である。こんな話も珍しい。
「なぜわたしがこんな不幸を背負うのか。」その問いは重い。そして重さにも慣れてしまい、疲れ切ってしまう様子がよく分かる。怒りも悲しみも神に対する問いかけも、どうでも良くなってしまうほど疲れてしまう。自殺しないのは、大切な人を残していけないからだ。
つまらないことが自分たちの人生の惨めさを思い出させ、激しい憎悪に走る。憎悪を合理化できるだけの不幸の大きさが彼らにはある。

綾瀬はるかはもちろんいいが、麻生祐未がまた好演していると思うのである。

倫理ってどこにもないじゃないか。社会の倫理の代わりに二人だけの倫理と二人だけの愛がある。

局所的な倫理で押し切ることも方法だと思っている。