実在(reality)

Jun 5, 2006
実在(reality)

実在とは何か。

わたしが実在(reality)という言葉を使う時、何を意味しているか。

わたしたちは感覚器官を持ち、対象を感覚している。五感と言う。それで世界のすべてを認識できるかといえば、そうではない。

それを六感や七感に増やすことは難しい。

減らすことならできそうである。たとえば視覚の欠如した感覚世界を想像できる。実際にそのような世界を生きている人もいる。

そのことを考えて、反転させれば、たとえば七感による世界認識を仮想することができそうである。そのようにして、対象のすべての性質を抽出したとして、それがそのまま、対象そのものであり、「ものそのもの」であり、実在である。

わたしたちは実在の性質の中の、五感で感覚できるものしか抽出していない。その意味で、わたしたちは「ものそのもの」にはたどり着けない。いつでもすべての性質の中の一部分を抽出しているのみである。

言葉のひとつひとつに色がついていると表現する人は、より実在に近い認知をしているのだろう。