イ・ヨンエ ホ・ジノ監督 「春の日は過ぎ行く」

イ・ヨンエ ホ・ジノ監督 「春の日は過ぎ行く」
竹林を吹く風 家持 イ・ヨンエ ホ・ジノ監督 「春の日は過ぎ行く」

万葉後期の歌人大伴家持

わが宿の いささむらたけ 吹く風の 音のかそけき この夕べかも

があり、この竹の音を私は愛している。

韓国映画イ・ヨンエ主演、ホ・ジノ監督の「春の日は過ぎ行く」がある。

イ・ヨンエはラジオのパーソナリティー役。その番組で紹介するために、竹林を吹く風の音を録音する。その録音係の男性と恋愛が始まる。最後の場面で、二人は別れて歩き出す。イ・ヨンエは振り返って彼を見続ける。男は振り返らない。

この映画はホ・ジノ監督の青春の記録であり、実際にはホ・ジノ監督が振り返ってじっと見つめ続け、女は振り返らなかったのだとの話も聞いた。

家持が和歌で描いた、竹の音の竹の音らしさを、ホ・ジノ監督は映像と音で描いた。

万葉集韓国映画の重なりにわたしは時を忘れる。