マタイ受難曲 Nr.47 アリア

詩編30 に

聞いてください。主よ。
私をあわれんでください。
主よ。私の助けとなってください。

とある。
「主よ、あわれみたまえ」ですね。
マタイ受難曲で印象的な一節を思い出す。

Nr.47 アリア(アルト)
Erbarme dich,mein Gott,
Um meiner Zaehren willen!
Schaue hier,Herz und Auge
Weint vor dir bitterlich.
Erbarme dich,erbarme dich

憐れみたまえ、わが神よ、
したたり落つる わが涙のゆえに!
こを見たまえ、心も目も
汝の御前にいたく泣くなり、
憐れみたまえ、憐れみたまえ!
(杉山先生訳)

カール・リヒター1958年版ではアルトはヘルタ・テッパーだと思います。

以下、ドイツ語を解説。
Herr,erbarme dich unser!
「主よ、われらをあわれみたまえ」と定訳になっています。
dichは神さまのことで、erbarmenは再帰動詞です。同情するという意味。
barmherzig は形容詞で、慈悲深い、同情心のある
erbarmen は armと関係あるだろうと思うが、
arm は 英語と同じArm腕という意味と、
poor 貧しい、乏しい、あわれ、という意味がある。
わたしをpoorと思ってください とも思え、多分そうらしい。
しかし一方で過剰に空想すると、
「私をその腕に抱いてあわれんでください」とも思える。
こちらのほうが実感がある。多分間違いだと思うが。
meiner わたしの
Zaehren 涙
um……willen ……のために、……のゆえに
Schaue show see
hier here
Herz heart
Auge eye
weint weep 泣く
bitterlich bitter ひどく

過剰な自由訳

主よ わたしを胸に抱き慈しみをください
幾筋も伝う わたしの涙を捧げます
私の心と目が あなたの御前で
はげしく 後悔の涙を泣くことを 
おゆるしください
主よ わたしを胸に抱き慈しみをください